ベッドに入ったのに、頭の中だけ会議が続いているような夜。
今日の出来事を何度も思い返したり、明日の心配をシミュレーションしたりして、気づけば時計が進んでいる。
しかし、からだは疲れているのに、脳だけがずっと起きている感覚がつらいですよね。
こうした「眠る前に考え事が止まらない」状態は、性格の問題ではなく、脳と自律神経が過活動モードに入っているサインとも言われます。
つまり、脳のスイッチをオフにする工夫をしてあげることで、少しずつ眠りやすさを取り戻せる可能性があるということです。
この記事では、脳の“過活動モード”が起こる理由と、夜の頭を静める5つの方法を、自宅ケアとドライヘッドスパの視点からお伝えします。
「眠る前に考え事が止まらない」とは?どんな状態?

からだは眠りたがっているのに、脳だけ起きている状態
一日の終わりは、本来であれば副交感神経(ふくこうかんしんけい)が優位になり、からだと心がゆるんでいく時間です。
しかし、ベッドに入ってから考え事が止まらないとき、脳はまだ「仕事モード」や「警戒モード」のままになっていることがあります。
そのため、眠りたいのに眠れないギャップが生まれ、余計に焦りや不安が大きくなってしまうのです。
考えすぎてしまう自分を責める必要はない
考え事が止まらないと、「自分は心が弱いのかな」「メンタルがだめなのかな」と感じてしまう方もいます。
しかし、多くの場合は、その人のまじめさや責任感の強さ、そして疲れがたまっている状況など、いくつかの条件が重なっているだけです。
つまり、からだの状態と環境を整えることで、思考のスピードをゆるめる余地があると考えてみてください。
脳の“過活動モード”が続いてしまう主な理由

理由1:寝る直前まで情報が流れ込み続けている
スマホやパソコンからの通知は、夜になっても途切れなく届きます。
そのため、ベッドに入ってからもSNSやニュースをチェックし続けてしまうと、脳はずっと「新しい情報を処理するモード」のままです。
結果として、布団の中でも思考がぐるぐる回り続けてしまいます。
理由2:一日を振り返る時間が「寝る直前」に集中している
日中は忙しくて、自分の気持ちや出来事をゆっくり振り返る余裕がない方も多いですよね。
すると、静かになった夜だけが「反省会」の時間になり、頭の中が過去の出来事でいっぱいになってしまいます。
しかし、そのタイミングはちょうど眠りに入りたい時間と重なるため、脳が休むチャンスを逃してしまうのです。
理由3:ストレスで自律神経が高ぶったままになっている
日中の緊張やストレスが強い日ほど、夜になっても交感神経(こうかんしんけい)が優位な状態が続きがちです。
すると、心拍数や呼吸がなかなか落ち着かず、「なんとなくそわそわする」「胸のあたりが落ち着かない」と感じやすくなります。
この状態では、ちょっとした心配事も大きく感じられてしまうため、考え事のループから抜けにくくなります。
理由4:からだの力みが“眠れないサイン”として残っている
首や肩、頭皮がガチガチにこわばっていると、からだは休もうとしているのに「まだ戦闘中だよ」と脳にメッセージを送り続けます。
つまり、からだが緊張していると、脳も緊張し続けやすいということです。
そのため、思考を落ち着かせるには、同時にからだの力みをほどいてあげる視点が大切になります。
理由5:「ベッド=悩み事を考える場所」と学習してしまっている
毎晩ベッドの上で長時間考え込んでいると、脳は「布団に入ったら悩みタイム」と覚えてしまいます。
そうなると、横になった瞬間に思考が加速しやすくなり、眠るモードに入りにくくなります。
そこで、少しずつ「ベッドは眠るための場所」にイメージを切り替えていくことがポイントになります。
そのため、ひとつひとつを少しずつ整えていくことで、脳の過活動モードを落ち着かせやすくなります。
脳の過活動を静める5つの方法

1)「ベッドに入る前に紙に書き出す」習慣をつくる
眠る直前に頭の中で考えを整理しようとすると、かえって思考が増えてしまうことがあります。
そこで、ベッドに行く10〜15分前に、今日気になったことや明日やることを紙に書き出す時間をつくってみてください。
こうすると、脳の中で抱えていた情報をいったん外に出せるため、「今はここまでで大丈夫」と区切りをつけやすくなります。
2)4−6呼吸で自律神経のギアをゆっくり落とす
眠る前に、鼻から4秒吸って、口から6秒吐く呼吸を数セット行うだけでも、自律神経は少しずつ落ち着きやすくなります。
このとき、肩や首の力を抜きながら、おなかとわき腹がふわっと広がる感覚を意識してみましょう。
つまり、「数を数えること」と「呼吸の感覚に意識を向けること」で、思考のスピードを自然にゆるめていくイメージです。
3)スマホには“ここまでタイム”を決めておく
ベッドの中でスマホを触り続けると、光の刺激だけでなく、情報による興奮も続いてしまいます。
そのため、就寝の60〜90分前を目安に、「ここからは通知を切る」「ベッドにスマホを持ち込まない」など、自分なりのルールを決めてみてください。
初めはハードルが高ければ、「就寝30分前だけはSNSを開かない」など、小さな一歩からでも十分です。
4)耳・首まわりをほぐして“からだ側”から脳に休憩サインを送る
寝る前に、耳たぶをやさしくつまんで回したり、首の前側に温かいタオルをあてたりするのもおすすめです。
こうしたケアは、血流を促しながら、自律神経に「もう休んでいいよ」というメッセージを届けてくれます。
つまり、頭の中を静めるだけでなく、からだの緊張をゆるめることで、ダブルで眠りやすい状態をつくるイメージです。
5)ベッドの中では「考える」のではなく「感じる」ほうに意識を向ける
ベッドに入ったあと、あれこれ考え始めたと気づいたら、いったん思考から離れてみましょう。
たとえば、「布団のあたたかさ」「まぶたの重さ」「呼吸が出入りする感覚」など、今ここで感じられる感覚に意識を向けてみます。
もちろん、また考え事が浮かんでくることもありますが、そのたびに「気づいたら戻る」を繰り返すことで、少しずつ脳のスイッチをオフにしやすくなります。
ドライヘッドスパで頭と自律神経をととのえる

「考えすぎの頭」をふんわり包み込むタッチ
nidone(Dry shampoo Spa nidone)では、頭皮を強く押し込むのではなく、面で包み込むようなやわらかいタッチで施術を行います。
そのため、反射的な力みが生まれにくく、自律神経が休まりやすい状態をめざせます。
施術中に「いつの間にか考え事が薄れていた」とおっしゃる方も多く、脳の過活動モードから静かなモードへ切り替えるきっかけとしても役立ちます。
頭皮・首・肩を一緒に緩めて“眠りの土台”を整える
眠れない夜が続くと、頭皮だけでなく、首の前側や肩、背中までこわばっていることが少なくありません。
そこで、ドライヘッドスパでは、頭だけでなく首や肩まわりにもアプローチしながら、呼吸が入りやすい状態へ導いていきます。
こうして土台からゆるむことで、自宅で行う呼吸法やセルフケアも続けやすくなります。
nidoneの施術の流れ

眠りの状況や、考え事が止まらなくなるタイミング、日中の疲れ方などを丁寧に伺います。
生活リズムやお仕事のスタイルも踏まえながら、無理のないケアプランを一緒に考えていきます。
まずは、首や肩、デコルテまわりのこわばりをゆっくりほぐします。
からだの力みが抜けてくると、頭の重さもふわっと軽く感じられやすくなります。
前頭部・側頭部・後頭部を、心地よい強さで丁寧にケアします。
「考えすぎ」でギュッと固まりやすいこめかみ周りも、やさしくゆるめていきます。
施術後の頭の軽さや呼吸のしやすさを一緒に確認し、日常で取り入れやすいセルフケアをご提案します。
無理なく続けられる「夜のルーティン」を一緒に組み立てていくイメージです。
※施術範囲はコースにより異なります。
自宅でできる夜のセルフケア

寝る1時間前:照明と音を“夜モード”にする
- 部屋の明かりを少し落とし、間接照明やスタンドライトなど柔らかい照明に切り替えます。
- テレビや動画の音量も少し下げ、静かな音楽や環境音に変えてみます。
- この時間帯は「情報を入れる」のではなく、「一日のスピードをゆるめる」ことを意識して過ごします。
布団に入る前:首と耳をやさしくほぐす
- 耳たぶを軽くつまみ、痛くない範囲で前後にゆっくり回します。
- 次に、首の前側に手のひらを添え、あごを少し引いた状態で深呼吸を3回行います。
- 最後に、肩をすくめてストンと落とす動きを数回くり返し、からだの重さを布団に預けるイメージを味わいます。
布団に入ったあと:呼吸とイメージでゆっくりと
- 仰向けになり、片手を胸、片手をおなかに置きます。
- 鼻から4秒吸って、口から6〜8秒かけて吐きながら、今日一日よく頑張った自分に「おつかれさま」と心の中で声をかけます。
- 考え事が浮かんできたら、「今はメモ帳に預けたから大丈夫」とそっと手放し、また呼吸の感覚に意識を戻します。
小さな習慣が積み重なるほど、脳は少しずつ「夜は休んでもいい時間だ」と学習していきます。
Q&A

Q1. 眠る前に考え事が止まらないのは、病気でしょうか?
A. 必ずしも病気とは限りませんが、つらさが強かったり、日中の生活に支障が出ている場合は、医療機関に相談することをおすすめします。
そのうえで、生活リズムやセルフケアを整えることは、多くの場合に役立ちます。
Q2. どのくらい続いたら病院に行ったほうが良いですか?
A. 眠れない状態や中途覚醒が数週間〜数か月続き、しんどさが増していると感じるときは、一度専門の医師に相談すると安心です。
早めに相談することで、必要なケアや治療の選択肢を知ることができます。
Q3. ドライヘッドスパだけで不眠が治るわけではないですよね?
A. はい、ドライヘッドスパは医療行為ではないため、不眠症そのものを治すものではありません。
しかし、頭や首肩のこわばりがゆるみ、自律神経がととのうことで、「眠りに入りやすくなった」「夜のそわそわ感がラクになった」と感じる方はいらっしゃいます。
そのため、医療機関での相談や生活改善と組み合わせる、補助的なケアとしてご検討いただくのがおすすめです。
Q4. どのくらいのペースで通う方が多いですか?
A. 最初は2〜3週間に一度、その後は月1回ペースでメンテナンスをされるお客様が多い印象です。
ただし、お仕事の状況や疲れ方によって最適なペースは異なるため、カウンセリングのなかで一緒に相談しながら決めていきます。
Q5. 施術中に眠ってしまっても大丈夫ですか?
A. もちろん大丈夫です。
むしろ、「いつの間にか寝てしまった」「記憶が途中からない」というお声を多くいただきます。
眠ってしまっている間も、頭や首肩のケアは続いていますので、安心して身をゆだねていただければと思います。
実際のお客様の声

「仕事のことをずっと考えてしまい、ベッドに入ってから2時間以上眠れない日が続いていました。施術を受けた日は、頭がふわっと軽くなり、そのままぐっすり眠れたのが印象的でした。」(30代・女性)
「こめかみと首まわりを丁寧にほぐしてもらうと、普段どれだけ力んでいたかに気づきました。夜の呼吸法も教えてもらい、考え事の渦に巻き込まれにくくなった気がします。」(40代・女性)
「眠りが浅くて何度も目が覚めていましたが、ヘッドスパを受けたあとは“朝まで記憶がない”くらい深く眠れました。静かな空間で頭を休める時間って大事なんだなと実感しました。」(20代・女性)
まとめ:夜の「余白時間」を取り戻す
まとめ:眠る前に考え事が止まらない夜は、性格の問題ではなく、情報の多さやストレス、自律神経の高ぶり、からだの力みなど、さまざまな要素が重なって起きています。
しかし、紙に書き出す習慣や、ゆっくりした呼吸、スマホとの距離のとり方、耳や首をほぐすケアを取り入れることで、脳の過活動モードを少しずつ静めていくことができます。
そこにドライヘッドスパを組み合わせると、頭皮や首肩のこわばりがゆるみ、自律神経が休まりやすい状態へと整えやすくなります。
小さなセルフケアと、プロの手によるケアを上手に組み合わせながら、夜の「余白時間」と心地よい眠りを、少しずつ取り戻していきましょう。
参考リンク:
・夜に考えすぎて眠れない…”思考過多”を止める3つの習慣|赤坂心療クリニック
・いろいろと考えすぎて眠れないのは病気?原因やすぐに実践できる解消法を解説|三陽会クリニック
・不眠症(睡眠障害)|国立精神・神経医療研究センター こころの情報サイト
・【医師監修】いろいろ考えすぎて眠れないときの原因と対処方法|ブレインスリープ
・薬を使わない治療(非薬物療法)|不眠症の治療方法|塩野義製薬
眠る前の考えすぎや不眠に悩んでいる方こそ、ぜひ一度、脳から整えるドライヘッドスパを体験してみてください。
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この記事を書いた人
森田(Dry shampoo Spa nidone チーフセラピスト)
森の中のような空間で、心と身体の疲れにそっと寄り添う施術を行っています。
筋膜リリースや頭蓋骨アプローチを取り入れたドライヘッドスパを専門とし、
眼精疲労・不眠・自律神経の乱れなど、慢性的な不調にお悩みの方に向けて、日々施術を担当。
これまでにのべ7,000人以上のお客様を担当し、「記憶がないほど眠れた」「視界がクリアになった」といったお声を多数いただいています。
セラピスト向けの講習会や技術指導にも携わり、確かな経験と理論に基づいた施術を大切にしています。
お客様一人ひとりに合わせたケアを、感覚と知識の両面からご提供しています。
