「気づくと息が浅い」「肩が上がっている気がする」。
しかし、痛みが強いわけではなく、つい後回しになります。
ところが呼吸が浅い状態が続くと、首前や胸が硬くなりやすいです。
そのため、頭が重い、眠りが浅いなどの不調が増えることがあります。
つまり、呼吸は“体の力み”のスイッチにもなります。
そこで今回は、首前・胸・頭が硬くなる仕組みを5つに分けて解説します。
呼吸が浅い状態とは(基礎)

「吸える」より「吐けない」がポイント
呼吸が浅いとき、実は「吸う量」より「吐けない」ことが多いです。
しかし、吐く息が短いと体はゆるみにくくなります。
そのため、肩や首前に力が入りやすいです。
つまり、深い呼吸の入口は「吐く」から始まります。
交感神経(こうかんしんけい)が優位になりやすい
交感神経(こうかんしんけい)は、緊張や活動で働く神経です。
一方で副交感神経(ふくこうかんしんけい)は、休息で働きます。
ところが呼吸が浅い状態が続くと、切り替えが鈍くなりがちです。
その結果、寝ても疲れが抜けない感覚が出やすくなります。
呼吸が浅くなりやすい主な原因

原因1:スマホ・PC姿勢で首が前に出る
首が前に出る姿勢が続くと、首前の筋肉が縮みやすいです。
そのため、胸が広がりにくくなります。
さらに、肩で吸う癖がつき、呼吸は浅くなりやすいです。
原因2:緊張で「吐く」が短くなる
忙しい日ほど、息を止める場面が増えます。
しかし、息を止める癖は体を固めます。
そのため、吐く息が短くなり、回復モードに入りにくいです。
原因3:食いしばり・力み癖が抜けない
集中すると、あごに力が入る方も多いです。
すると、首と胸も一緒に固まりやすいです。
つまり、呼吸の通り道が“狭いまま”固定されます。
原因4:睡眠の質が落ち、回復が追いつかない
眠りが浅いと、筋肉の緊張が抜けにくいです。
そのため、朝から肩が上がった状態で始まりがちです。
結果として、一日中呼吸が浅いままになりやすいです。
首前・胸・頭が硬くなる“5つの仕組み”

1)首前が「吸う補助」をし続ける
浅い呼吸では、首前が吸う動きを助けます。
しかし、首前が働き続けると休めません。
そのため、のど元や鎖骨まわりが硬くなります。
2)胸郭(きょうかく)が動かず胸が広がらない
本来は肋骨(ろっこつ)が動き、胸が広がります。
ところが動きが小さいと、肩で吸う量が増えます。
つまり、呼吸するたびに肩こりが積み上がります。
3)吐けないほど交感神経が優位になりやすい
吐く息は、体をゆるめる方向に働きます。
しかし吐けないと、緊張が続きやすいです。
そのため、首・胸・あごの力みが抜けにくいです。
4)首の付け根が詰まり、頭の重さが出やすい
首の付け根が硬いと、頭が“前へ引っ張られる”感覚が出ます。
さらに、頭皮の張りや重だるさも出やすいです。
そこで、首と頭をセットで整える必要が出てきます。
5)眠っても回復しにくく、翌日に持ち越す
夜も呼吸が浅いままだと、回復のスイッチが入りにくいです。
そのため、眠りが浅い感覚になりやすいです。
結果として、朝から首前・胸・頭が固いままになります。
そのため、どこか一つだけでなく、セットで整えると変化が出やすいです。
ドライヘッドスパで整えやすい理由

頭がゆるむと、呼吸の「出口」が広がりやすい
頭皮が固いと、首の付け根も緊張しやすいです。
しかし頭がゆるむと、首の力みも落ちやすいです。
そのため、吐く息が長くなり、呼吸が深くなりやすいです。
首・デコルテまで整えると胸が開きやすい
胸が開くと、呼吸は楽になりやすいです。
さらに、肩が下がりやすくなります。
つまり、呼吸と姿勢を同時に整えやすいのです。
「ツボ」はやさしく短時間で
百会(ひゃくえ)や風池(ふうち)などのツボは、強く押し込む必要はありません。
そのため、深呼吸に合わせて、3秒そっと押して、3秒で離す程度が目安です。
さらに、痛みが出るほどの刺激は避けましょう。
施術の流れ

呼吸の浅さ、首前の違和感、睡眠の状態を確認します。
また、スマホ・PC時間や生活リズムも伺います。
包み込むタッチで頭の緊張をゆるめます。
そのため、首の付け根も落ち着きやすいです。
首前や胸まわりの硬さを整えます。
さらに、呼吸が入りやすい状態へ導きます。
今日からできる呼吸法とセルフケアをお伝えします。
つまり、変化を持続しやすくなります。
※施術範囲はコースにより異なります。
自宅でできるケア

朝:首前をゆるめて「吸いやすい体」に
- まず、鎖骨の上に手のひらを当てます。
- 次に、鼻から4秒吸って、口から6秒吐きます。
- さらに、吐くときに肩をストンと落とします。
日中:合間に「吐く」を増やす
- 一度、画面から目を離して遠くを10秒見ます。
- そこで、4秒吸って8秒吐く呼吸を2回だけ行います。
- また、あごを軽く引き、首前を伸ばします。
夜:減刺激+深呼吸で回復モードへ
- 就寝90分前を目安に、照明を少し落とします。
- さらに、スマホ通知をオフにします。
- 最後に、4秒吸って8秒吐く呼吸を3セット行います。
そのため、まずは1日3回から始めてみてください。
Q&A

Q1. 呼吸が浅いかどうか、簡単に分かりますか?
はい。胸と肩だけが動く場合は浅い傾向です。
一方で、お腹や背中がふくらむと深い呼吸です。
Q2. 首前が硬いと、なぜ呼吸が浅くなりますか?
首前が縮むと、胸が開きにくくなります。
そのため、肩で吸う動きが増え、浅くなりやすいです。
Q3. 深呼吸をすると逆に苦しくなることがあります
無理に吸おうとすると、苦しさが出ることがあります。
そこで、まずは「吐くを長く」だけで試してください。
Q4. 首こりが強い日は、どれを優先すべきですか?
まずは吐く息を長くして、肩を落とします。
さらに、鎖骨の上を温めると変化が出やすいです。
Q5. ドライヘッドスパはどんな人に向いていますか?
呼吸が浅い、首前が詰まる、頭が重い方に向いています。
また、考えごとが多く眠りが浅い方にもおすすめです。
実際のお客様の声

「頭と首を整えてもらったら、胸がふっと開いて呼吸が入りやすくなりました。」(30代・女性)
「首前の詰まりが抜けた感じがして、夜に考え事が減りました。」(40代・男性)
「施術中に気づいたら眠っていて、起きたら肩の力が抜けていました。」(20代・女性)
「家で“吐くを長く”を続けたら、朝のだるさが軽くなりました。」(30代・女性)
まとめ:呼吸から「力み体質」をほどく
呼吸が浅い状態は、首前・胸・頭を硬くしやすいです。
しかし、「吐くを長く」を意識するだけでも変化が出ます。
さらに、頭と首をセットで整えると、呼吸は入りやすくなります。
セルフケアとプロのケアを使い分けて、無理なく整えていきましょう。
参考リンク:
・MSDマニュアル:過換気症候群
・e-ヘルスネット:眠りのメカニズム
・愛知淑徳大学クリニック:自律神経とストレス反応
・第一三共ヘルスケア:自律神経セルフケア
・花王ヘルスケアナビ:血流と自律神経
呼吸が浅い・首前のこわばりに悩んでいる方こそ、ぜひ一度、脳から整えるドライヘッドスパを体験してみてください。
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この記事を書いた人
森田(Dry shampoo Spa nidone チーフセラピスト)
森の中のような空間で、心と身体の疲れにそっと寄り添う施術を行っています。
筋膜リリースや頭蓋骨アプローチを取り入れたドライヘッドスパを専門とし、
眼精疲労・不眠・自律神経の乱れなど、慢性的な不調にお悩みの方に向けて、日々施術を担当。
これまでにのべ7,000人以上のお客様を担当し、「記憶がないほど眠れた」「視界がクリアになった」といったお声を多数いただいています。
セラピスト向けの講習会や技術指導にも携わり、確かな経験と理論に基づいた施術を大切にしています。
お客様一人ひとりに合わせたケアを、感覚と知識の両面からご提供しています。
