涼しくなってきたのに、頭皮のかゆみがなんとなく続いている。
肩に白い粉が落ちるのに、夕方には髪の根元がぺたんとしてくる。
そんな「乾いているのに脂っぽい」状態に、9月後半から心当たりのある方は少なくありません。
正反対のことが同時に起きているようで、どちらに合わせればいいのか迷ってしまいます。
この記事では秋の頭皮で何が起きているのかを整理し、今日から見直せる3つのステップをお伝えします。
・秋は空気が乾く一方で、頭皮に残った皮脂は減らないため両方の悩みが重なる
・乾燥か皮脂かを決めつけず、洗いすぎと乾かし不足の両方を疑う
・見直す順番は、洗い方のお湯・乾かし方・ゆるめる時間の3ステップ
「混合期」の頭皮とは(基礎)

頭皮は皮脂と汗が混ざった膜で覆われている
頭皮は、皮脂だけで守られているわけではありません。
日本毛髪科学協会は、頭皮の表面が皮脂と汗の混じり合った、水分と油分が乳化した薄い膜で覆われていると説明しています。
つまり、どちらか一方が減るだけでも状態は変わるということです。
「乾燥」と「脂っぽさ」は同時に起こりうる
この二つは相反するものだと思われがちです。
しかし、空気が乾いて水分が奪われる一方で、頭皮に皮脂が残り続ける組み合わせは起こります。
肌でいえば、口もとはかさつくのに鼻まわりはてかる混合肌の状態に近いものです。
フケには乾いたタイプと脂っぽいタイプがある
フケの見た目も一種類ではありません。
MSDマニュアル家庭版には、乾燥した、または脂ぎったうろこ状のかさつきが生じ、かゆみを感じることもあると記載されています。
ただし、見た目だけで決めつけず、続くようなら皮膚科で相談するのが安心です。
秋にフケとかゆみが増える主な原因

原因1:湿度が段階的に下がっていく
外から効いてくるのは、まず湿度です。
気象庁の東京の平年値(1991〜2020年)では、相対湿度は9月75%、10月71%、11月64%と推移します。
一日で変わるものではないため、頭皮の乾きもいつの間にか進んでいきます。
原因2:頭皮に残る皮脂は季節で振る舞いが変わる
一方で、皮脂の側にも季節による違いがあります。
花王のヘアケアサイトによれば、洗髪後およそ1日で皮脂は頭皮に広がり、その後で毛髪へ移っていきます。
ただし気温が下がる時期は皮脂が固まりやすく移りにくいため、頭皮の上に残りやすくなります。
同サイトでは、紅斑(こうはん)やフケが冬に多い理由の一つに、この残り方が挙げられています。
原因3:夏の習慣のまま洗いすぎてしまう
さらに見落とされやすいのが、私たち自身の洗い方です。
汗をかく季節に身についた「熱めのお湯で二度洗い」は、涼しくなっても続きがちです。
そのため、必要な油分まで流れ、かさついた頭皮が皮脂を出そうとする行き違いが起こります。
原因4:かゆみが続くときは別の背景があることも
ここまでは、季節と習慣による一時的な変化の話です。
ただし、赤みを伴うかゆみや脂っぽいフケが長く続く場合は、別の背景が隠れていることもあります。
日本皮膚科学会雑誌の脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)の総説では、病因としてマラセチアという常在菌との関連が重要視されていると述べられています。
頭皮を整える3ステップ

1)お湯の温度と流す時間を見直す
最初に変えるのは、シャンプーの種類ではなくお湯です。
少しぬるいと感じる温度に下げ、そのかわり予洗いとすすぎの時間を長めに取ってみてください。
洗い残しが出やすいのは耳の後ろと襟足です。
また、二度洗いが習慣の方は、涼しい時期だけ一度洗いの日をつくるのもひとつの方法です。
2)乾かし方を「根元から短時間で」に変える
次に見直したいのは、お風呂上がりの時間です。
濡れたまま放置すると、頭皮は蒸れと冷えを同時に受けることになります。
したがって、タオルで水気を取ったら、まず根元に風を当てて早めに乾かします。
毛先から乾かし始めると根元が最後まで湿ったままになるので、順番を逆にしてみてください。
3)こすらずに「ゆるめる時間」をつくる
3つ目は、かゆいときの手の使い方です。
爪を立ててかくかわりに、指の腹を置いて皮膚ごとゆっくり動かす時間を1分つくってみてください。
髪をこするのではなく、頭皮そのものを動かす感覚です。
ただし、頭皮が指と一緒に動く程度の圧で十分で、痛いほどの強さは必要ありません。
ドライヘッドスパが頭皮ケアに向いている理由

髪も頭皮も濡らさずに受けられる
ドライヘッドスパは、名前のとおり髪を濡らさずに行う施術です。
水もシャンプー剤も使わないため、乾燥が気になる時期に洗う工程が増えません。
ドライヘッドスパ専門店 nidone では、薬剤を使わず手だけで頭全体に触れていきます。
自分では届きにくい場所に触れられる
セルフケアで動かせるのは、手の届く範囲までです。
一方で、耳の上から後頭部にかけては、自分では力の入れ方が分かりにくい場所でもあります。
施術では、こうした場所に一定の圧で触れながら、頭皮が動く範囲を少しずつ広げていきます。
季節に合わせて触れ方を変えられる
同じ方でも、季節によって頭皮の状態は変わります。
そのため、当日の状態をうかがったうえで触れ方や強さを調整しています。
ただし、かゆみや赤みが強く出ているときは、施術より先に受診をご案内する場合があります。
nidoneの施術の流れ

かゆみの出る時間帯やフケの様子、最近変えた習慣をうかがいます。
実際に触れて、動きにくい場所やこわばりの強い場所を確かめます。
着座のまま、頭から首すじにかけて手だけでゆるめていきます。
当日の状態と、ご自宅で続けやすいケアをお伝えします。
※施術範囲はコースにより異なります。
自宅でできるセルフケア

朝:分け目を変えて乾き具合を見る
いつも同じ場所で分けていると、その部分だけ乾きやすくなることがあります。
例えば、朝に分け目をひと筋だけ変え、白い粉が見えるかを確かめる習慣をつけると変化に早く気づけます。
日中:室内の乾燥をそのままにしない
暖房を使い始めると、室内の空気はさらに乾いていきます。
そのため、加湿器や濡れタオルで湿度を保つだけでも頭皮の負担は変わります。
夜:とかしてから湯船に入る
シャンプー前に髪を軽くとかしておくと、絡まりが減って洗う時間そのものが短くなります。
そのうえで湯船で体を温めてから洗うと、必要以上に熱いお湯を使わずに済みます。
寝る前:枕まわりを清潔に保つ
髪が湿ったまま横になると、枕カバーが湿気を含んだままになります。
そこで、カバーを替える日を決めておくと、かゆみの出る日を減らす助けになります。
よくいただくご質問

Q1. 乾燥と脂っぽさ、どちらに合わせて選べばよいですか?
どちらかに決めきらず、まずは洗い方の温度と回数を見直すことをおすすめしています。
製品を変えるのは、そのあとでも遅くありません。
Q2. フケが気になるので毎日二度洗いしています。続けてよいですか?
湿度が下がる時期は、二度洗いが乾きを強めることがあります。
そのため、一度洗いの日を週に何日か挟んで様子を見てみてください。
Q3. かゆみがあるときに施術を受けても大丈夫ですか?
軽い乾燥によるものであれば、触れ方を調整したうえでお受けいただけます。
ただし、赤みや痛みを伴う場合は先に皮膚科へご相談ください。
Q4. ドライヘッドスパを受けると髪は乱れませんか?
水も薬剤も使わないため、大きく濡れることはありません。
とはいえ多少の乱れは出ますので、鏡とアメニティをご用意しています。
Q5. どのくらいの間隔で通うのがよいですか?
季節の変わり目は変化が出やすいので、月に1回ほどを目安にされる方が多いです。
もちろん、お疲れの度合いに合わせて間隔は調整していただけます。
実際のお客様の声

「毎年この時期に肩の白い粉が気になっていましたが、洗い方を変えてから気にならない日が増えました。」(30代・女性)
「乾かすのが面倒で自然乾燥にしていました。根元から乾かすだけで夜のかゆみが落ち着いてきました。」(40代・女性)
「自分では耳の上まで触っていなかったと気づきました。触ってもらうと頭の重さが違います。」(30代・女性)
「かゆいときに爪を立てる癖がありました。指の腹で動かす方法を教わってから、かき傷が減りました。」(20代・女性)
まとめ:秋の頭皮は足し算より引き算
秋の頭皮は、空気が乾いていく一方で、残った皮脂の振る舞いも変わっていきます。
そのため、乾燥と脂っぽさが同時に気になる「混合期」が生まれます。
こうした時期にやりがちなのが、新しい製品を足して対処しようとすることです。
しかし先に見直したいのは、お湯の温度、乾かす順番、手の力加減の3つでした。
いずれも今日から変えられて、費用もかかりません。
そのうえで、自分では届かない場所のこわばりが気になるときは、外から手を借りるのもひとつの選択です。
季節の切り替わりに合わせて、nidone で頭から軽くなる時間を過ごしてみてください。
参考リンク:
・東京の平年値(年・月ごとの値)/気象庁
・頭皮の皮脂の挙動とトラブル/花王 ヘアケアサイト
・皮膚(頭皮)を知る/公益財団法人日本毛髪科学協会
・脂漏性皮膚炎(乾重樹)/日本皮膚科学会雑誌 117巻9号
・脂漏性皮膚炎/MSDマニュアル家庭版
この記事を書いた人
森田(Dry shampoo Spa nidone チーフセラピスト)
森の中のような空間で、心と身体の疲れにそっと寄り添う施術を行っています。
筋膜リリースや頭蓋骨アプローチを取り入れたドライヘッドスパを専門とし、
眼精疲労・不眠・自律神経の乱れなど、慢性的な不調にお悩みの方に向けて、日々施術を担当。
これまでにのべ8,000人以上のお客様を担当し、「記憶がないほど眠れた」「視界がクリアになった」といったお声を多数いただいています。
セラピスト向けの講習会や技術指導にも携わり、確かな経験と理論に基づいた施術を大切にしています。
お客様一人ひとりに合わせたケアを、感覚と知識の両面からご提供しています。
