妊娠中のマッサージはなぜ控える?体への3つの負担と海外の症例

妊娠中のマッサージはなぜ控える?体への3つの負担と海外の症例

妊娠中のマッサージなどの施術は、姿勢やつわりなどの体調変化、脚の施術では血栓の面でも、体の負担になりえます。
nidoneのドライヘッドスパも仰向けに近い姿勢で受けていただくため、妊娠中の方と妊娠の可能性がある方への施術を控えています。
妊娠中は、血液の量や血管の状態、楽にとれる姿勢まで、妊娠前と同じではありません。
最近、妊娠中であることをご予約時にお知らせいただかないまま、ご来店になる方が何度かいらっしゃいました。
そこで改めて、控えている理由を、医学的な資料と海外で報告された症例をもとにまとめました。

この記事の要点:
・妊娠中は血液量や血管の状態が変わり、体調が変わりやすい時期
・当店が控える理由は、姿勢・日々変わる体調・確かめられないリスク
・海外では、妊娠中の脚のマッサージ後に肺塞栓を起こした症例報告も

妊娠中の体は、とてもデリケート


おなかに手を添えて休む妊娠中の女性のイメージ

妊娠が進むと、血液の量はほぼ1.5倍に

MSDマニュアルによると、妊娠中の血液量はほぼ50%増えるとされています。
また、心臓が送り出す血液の量も30〜50%増えます。
つまり、心臓や血管は、妊娠前よりも多くの仕事を毎日こなしている状態です。
ふだんなら気にならない体勢や刺激でも、体調が変わることがあります。

関節や靱帯(じんたい)もゆるみやすくなる

さらに、出産に備えて、骨盤まわりの関節や靱帯がゆるんで柔らかくなります。
背骨のカーブが強くなり、背中に痛みが出る方もいます。
見た目にはわかりにくくても、体の土台そのものが変わっていく時期です。

おなかが目立たない初期こそ、体調は揺らぎやすい

一方で、妊娠初期はおなかがまだ目立ちません。
しかし、つわりや強い疲れが出やすいのは、むしろこの時期です。
「見た目は変わらないから大丈夫」とは言い切れないのが、妊娠中の体です。

妊娠中の施術が体の負担になる3つの理由


ソファで横になって休む妊娠中の女性のイメージ

理由1:仰向けやリクライニングの姿勢

おなかが大きくなると、子宮が、脚から心臓へ戻る太い静脈を圧迫するとされています。
MSDマニュアルでは、左側を下にして横になると、この圧迫がやわらぐと説明されています。
特に妊娠後期は、仰向けで気分が悪くなる方もいます。
そのため、背もたれを倒した姿勢で一定時間過ごす施術は、妊娠中の体には負担になりえます。

理由2:血のかたまり(血栓)ができやすい

また、妊娠中は血液が固まりやすい状態になり、脚の静脈には血液がたまりやすくなります。
その結果、静脈血栓塞栓症(じょうみゃくけっせんそくせんしょう)が起きやすくなるとされています。
MSDマニュアルでは、血栓塞栓性の病気は、妊産婦が亡くなる主な原因の1つとも書かれています。
しかも、脚にできた血栓は、本人が気づいていないこともあります。

理由3:つわりなど、日によって変わる体調

加えて、妊娠初期はつわりが出やすく、日によって体調が大きく変わります。
当店の施術中のアロマは「森林の香り」に統一していて、香りをお選びいただくことはできません。
つわりの時期は、においに敏感になる方もいらっしゃいます。

妊娠中の施術で報告された症例


医学の資料やカルテのイメージ

脚のマッサージの5〜10分後に肺塞栓(タイ・2020年の報告)

2020年、医学誌『BMC Pregnancy and Childbirth』に、タイでの1例の症例報告が載りました。
1例の報告で、どのくらい起きるかを示すものではありませんが、妊娠中の施術を考えるうえで知っておいてほしい報告です。
妊娠25週の25歳の女性が、ショッピングセンター内のリラクゼーション店で、伝統的なマッサージを受けました。
ところが、脚と足のマッサージから5〜10分後に、突然息苦しさを訴え、意識を失って心肺停止に至りました。
検査では、脚の深部静脈血栓(しんぶじょうみゃくけっせん)と、肺の血管が詰まる大量の肺塞栓が見つかっています。
蘇生で心臓は再び動きましたが、約2か月後の時点でも意識は戻らず、おなかの赤ちゃんは亡くなりました。

報告した医師たちは、もともとあった血栓が、マッサージによってはがれた可能性が高いと考えています。
そのうえで、血栓のリスクがないとわかっていない妊婦さんへの、伝統的な脚のマッサージは行うべきではないと述べています。


注意:この症例は脚の施術で、当店は脚の施術を行いません。また、頭や首の施術で同じことが起きると示す報告でもありません。ただ、この女性は施術の前に血栓に気づいていませんでした。血栓があるかどうかは見た目ではわからず、当店には確かめる手段がありません。

nidoneが妊娠中のドライヘッドスパを控えている理由


nidoneの施術スペースのリクライニングチェア

仰向けに近い姿勢で、一定時間過ごす施術だから

nidoneのドライヘッドスパは、リクライニングチェアの背もたれを倒し、仰向けに近い姿勢で受けていただきます。
おなかが大きい時期は、この姿勢を一定時間続けること自体が負担になりえます。

当店は医療機関ではないから

また、当店は医療機関ではありません。
施術中に体調が急に変わっても、おなかの赤ちゃんの様子を確かめることはできません。
だからこそ、妊娠中の方と妊娠の可能性がある方への施術は、安全面から控えています。

「弱めなら」「短い時間なら」でもお受けしていません

「力を弱くすれば大丈夫ですか」というご相談もいただきます。
しかし、負担になりうるのは力の強さだけでなく、姿勢や体調の変化も含まれます。
そのため、時間や強さを変えても、妊娠中の施術はお受けしていません。

ご予約からご来店まで、お願いしたいこと


nidoneの店内の様子
1)ご予約前に注意事項を確認
ご予約画面の「ご来店に際しての注意事項」と、公式サイトのよくある質問をご確認ください。
2)妊娠中の方・可能性がある方はご予約をお控えください
妊娠中の方、妊娠の可能性がある方は、ご予約をお控えください。
3)ご予約後にわかったら公式LINEへ
ご予約のあとで妊娠中であること、または妊娠の可能性があることがわかった場合は、公式LINE(またはご予約いただいた窓口)からご連絡ください。キャンセル料の扱いは下のQ4をご覧ください。
4)ご来店後にわかった場合
ご来店後に妊娠中であること、または妊娠の可能性があることがわかった場合も、施術はお受けできません。この場合は、当日キャンセルと同額のキャンセル料を頂戴します。

※ペア予約(2名様のご予約)で、ご予約時にお知らせがなく、ご来店後にお一人様のみが妊娠中または妊娠の可能性があるとわかった場合に限り、特例として、もう一方のお客様の施術はお受けいただけます。お待ちいただく際のご案内は、ご予約・キャンセルポリシーをご覧ください。

妊娠中、体のつらさが気になるときは


クッションを使って横向きで休む妊娠中の女性のイメージ

苦しいときは、横向きで休む

仰向けで苦しさを感じるときは、横向きで休んでみてください。
前述の通り、左側を下にして横になると、子宮による静脈の圧迫がやわらぐとされています。
なお、ご自宅でのケアについては、妊娠中のヘッドスパはいつから?控える理由と自宅ケア5選でもまとめています。

気になる症状は、まず医療機関に

急な息苦しさや胸の痛みがあるときは、救急も含めて、すぐに医療機関へ連絡してください。
また、片脚の腫れや痛み、強い頭痛や続く頭痛があるときも、すぐにかかりつけの医師や助産師へご連絡ください。
自己判断で様子を見たり、施術でどうにかしようとしたりせず、まずは専門家に確かめることが大切です。

よくあるご質問Q&A


スマートフォンで情報を確かめる妊娠中の女性のイメージ

Q1. 妊娠初期で、おなかも目立たないのですが受けられますか?

お受けしていません。
なぜなら、初期はつわりなどで体調が揺らぎやすい時期でもあるからです。

Q2. 主治医から問題ないと言われていても受けられませんか?

当店では現在、妊娠中の方と妊娠の可能性がある方への施術を一律に控えています。
そのため、医師の許可がある場合も、お受けしていません。

Q3. 一緒に来る家族や友人だけ施術を受けられますか?

はい、お連れ様お一人でのご予約は承ります。ご希望のコースと日時を、公式LINEからご相談ください。
ただし、ご予約の時点で妊娠中の方・妊娠の可能性がある方を含む2名様のご予約と、施術を受けない付き添いとしてのご来店はお受けしていません(ご予約時にお知らせがなく、ご来店後にわかった場合は、妊娠中の方のみ施術をお受けできません。詳しくは上の注記をご覧ください)。

Q4. 予約したあとで妊娠がわかりました。どうすればいいですか?

わかった時点で、公式LINE(またはご予約いただいた窓口)からご連絡ください。理由をお知らせいただく必要はありません。
キャンセル料は、ご連絡の日時に応じて、公式サイトのご予約・キャンセルポリシーの通りです。
ご来店後に妊娠中であること、または妊娠の可能性があることがわかり、施術をお受けできなかった場合は、当日キャンセルと同額のキャンセル料を頂戴します。

Q5. 産後はいつから受けられますか?

体調が落ち着いてから、ご来店をご検討ください。
ご予約の前に、かかりつけの医師や助産師に相談したうえで、公式LINEからご相談いただけると安心です。

nidoneから、妊娠中の方へ伝えたいこと


nidoneの落ち着いた店内

疲れをどうにかしたい、少しでもリラックスしたい。
妊娠中にそう感じるのは、とても自然なことです。
だからこそ、私たちからまっすぐお伝えしたいことがあります。

妊娠中の体は、ご自身で感じている以上にデリケートになっています。
当店は、お客様とおなかの赤ちゃんのどちらにも、万が一のことがあってはならないと考えています。
「少しくらいなら」と感じたときも、ご予約の前にもう一度だけ注意事項をご確認ください。

まとめ:今は施術より、体を守ることを優先に


妊娠中は血液量が増え、血液が固まりやすくなり、体調も日によって大きく変わります。
そのため、仰向けに近い姿勢で受ける施術は妊娠中の体の負担になりえます。
海外では、脚のマッサージの後に肺塞栓を起こした1例も報告されています。
当店は脚の施術をしませんし、頭や首の施術で同じことが起きたという報告があるわけでもありません。それでも、血栓の有無を確かめる手段が当店にはないため、一律にお控えいただいています。

nidoneでは、妊娠中の方と妊娠の可能性がある方への施術を控えています。
ご予約の前に、必ず注意事項をご確認ください。

参考リンク:
・妊娠中の体の変化/MSDマニュアル家庭版
・妊娠中の血栓塞栓性疾患/MSDマニュアル プロフェッショナル版
・Leg massage during pregnancy with unrecognized deep vein thrombosis could be life threatening: a case report/BMC Pregnancy and Childbirth(英語)


産後のご来店を考えている方へ

妊娠中の方と妊娠の可能性がある方は、ご予約をお控えください。産後のご来店は、体調が落ち着いてから、かかりつけの医師や助産師にご相談のうえ、ご予約前に公式LINEでご相談ください。ご家族やご友人のご予約(お連れ様お一人でのご利用)も、公式LINEで承ります。

産後・お連れ様のご相談は公式LINEへ

ご予約前によくいただくご質問

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この記事を書いた人

森田(Dry shampoo Spa nidone チーフセラピスト)

森の中のような空間で、心と身体の疲れにそっと寄り添う施術を行っています。
筋膜リリースや頭蓋骨アプローチを取り入れたドライヘッドスパを専門とし、
眼精疲労・不眠・自律神経の乱れなど、慢性的な不調にお悩みの方に向けて、日々施術を担当。
これまでにのべ8,000人以上のお客様を担当し、「記憶がないほど眠れた」「視界がクリアになった」といったお声を多数いただいています。
セラピスト向けの講習会や技術指導にも携わり、確かな経験と理論に基づいた施術を大切にしています。
お客様一人ひとりに合わせたケアを、感覚と知識の両面からご提供しています。

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